虐待を起こさせない!

2011年1月23日 21時12分 | カテゴリー: 活動報告

先日、市内に住む、75歳の男性のお話を伺いました。
15年前にお連れ合いを亡くし、近くに親戚はおらず、近所付き合いもなく一人で暮らしているといいます。
その方が昨年の6月に脳梗塞で倒れた際、(幸いにも軽いものだったので)自分で救急車を呼び、市内の病院に運ばれたのですが、そこで看護師に虐待を受けたというのです。

トイレに行きたいと言って、立ち上がろうとしたところ、看護師に無理やりベッドに寝かせられ、ベッドの柵に頭をぶつけたそうです。当然病院には文句を言いに行ったけれどその事実を認めず、色々なところに相談に行ったのですが、結局なんの解決もされないまま悔しい思いをしたというのです。

ふと、私が働いていた職場のことを思い出しました。

私は先月まで、市内にある知的障がい者の入所施設で働いてきました。施設の中では、少ない職員でたくさんの利用者さんを見ているため(夜間は16〜17人に対して1人の職員)、常に時間に追われ、利用者さんを待たせることはもちろん、要求に応じられないことがあるのは当たり前になっていました。

それだけではありません、職員の見守りが行き届かずに事故が起こることもありますし、外出の要求にはほとんど応じることができません。庭に出ることすら限られた時間です。
窓にも玄関にも、門にも鍵が厳重。毎日決められた食事。決められた時間で入浴(約1時間半で15人の利用者さんを1人の職員が洗います。)「作業」呼ばれる仕事の時間(お給料と呼べるものは支払われません)。毎日、毎日、毎日・・・。

きっと、その方をベッドに寝かせた看護師はそれが虐待だなんて自覚はないんだと思います。仕事だから、ベッドに寝かせておかなきゃいけない指示だから、そうしただけだと思うんです。そしてこう言うでしょう。「これがあなたの体のためだから!」
私が利用者さんに外に出たいと要求されても、鍵を開けてあげなかったように。だけどそのことが、人権侵害になること、虐待になることがあります。

この男性が受けた虐待のことは、こうして話してくれたのでよくわかりました。しかし被害の対象になりやすいのは、病人や障がいをもった人、子どもや老人など、支援を受ける側の人で、辛い思いをしても話せない方も多くいます。

こういう現状を絶対に放っておいてはいけないと思いました。
どうして虐待や事故が起こるのか。
まずは各施設や病院の体制や、利用者や支援者の意識をきちんと調査しなければいけません。支援者が余裕をもって働けているか、相談体制はあるか、利用者の意思は尊重されているのか。
また、閉鎖的な施設ほど虐待が起こりやすいといいます。従来の大規模施設、収容型施設ではなく、一人一人が地域で暮らせる体制に転換していかなければなりなせん。

問題は見えないところにあります。男性の話のように、隠されてしまう問題がたくさんあります。

体制をすぐに変えることは難しくても、「これがおかしい!」と一人一人が声をあげられるようにしなくてはいけません。
問題は、問題にしなくちゃ問題にならないんだと感じました。
そして、「おかしいかな?」と思った時点でいつでもすぐに相談できる身近な窓口を設置するなど、どんな虐待も起こさせないまちになるよう、取り組んでいこうと思います。