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そこで、ほんの少しですが収穫の作業と、トウガラシから種を取り出して、種植えをする作業を手伝わせていただきました。
ほうれん草は茎が折れやすいので優しく、根元から抜きます。根っこを切り落とし、そろえて束ね、袋に詰めます。
当たり前のことですが、100円から150円で販売される、ほうれん草ひとつにしても、たくさんの手作業が必要になります。さらにそれを料理し、食卓に並ぶ。
私たちの毎日の食事は、沢山の人の手を通ってきていることを再確認しました。
しかし、牛丼チェーン店では牛丼1杯280円、270円の価格競争。そのために削られるのは人件費です。こうした競争で一部の経営者に利益が流れいくだけの食べ物よりも、生産者が見えるものを選んで食べること(買うこと)が、地域を考えるということではないでしょうか。
また、「農業してはじめて、八王子市民だという自覚が湧いた」と言った方がいるという話を聞きました。
確かに、全国チェーン店が増えてどこに行っても同じ店、同じ物が食べられるようになり、どこに行っても、駅前にはマクドナルド、スターバックス、ファミリーマート・etc
どこに行っても、同じ物、同じ味、が手に入り、そこで働く人も皆同じ人のようにも見えます。
では、自分がどこに住んでいるのか、どんな地域で生きているのかは一体何で実感できるでしょうか。
そこでしか味わえない地場野菜の味、里山や川などの風景、思い出の詰まった学校や公園のグラウンドなど・・土がある、自然があるところは、失われにくい「地元」です。
昨今、TPP(環太平洋戦略経済連携協定)への参加を急ぐ菅政権ですが、これ以上に輸入品が増え、食品の価格崩壊が起こってしまうとしたら、私たちの周りから「地元」がなくなってしまうのではないかと懸念します。経済成長戦略につきすすみ、地域を見失ってしまっては、私たちが安心して生きることができなくなってしまいます。
安心して生きていくためには、安心できる食べ物と顔の見える関係が重要だという、基本的な理念をもう一度、地域から国へ発信しなければならない時期なのではないでしょうか。