化学物質過敏症の方とお話して

昨日は東京で春一番が吹きました。所々で梅の花が咲きはじめ、季節の歩みを感じます。
しかし先日、そんな春の訪れを感じるどころか、家の外でも中でもどこにも居場所がなく、苦しんでいる方(Aさん)にお会いしました。
彼女を苦しめているのは化学物質過敏症です。
2009年にやっと病気として認められ、保険も適用されるようになりましたが、これまでは病院に行っても「体質の問題だ」とか「慣れの問題だ」と言われてきたそうです。
この病名自体、最近になって知った方も多いのではないでしょうか。
しかし、Aさんは15年も前から様々な症状に苦しめられていました。

化学物質は私たちの身の回りのどこにでもあります。
殺虫剤、農薬、合成洗剤、排気ガス、芳香剤、印刷物のインク・・

もはや化学物質を避けて生活することは不可能です。
そして、この病気にかかる人は特例ではありません。化学物質に囲まれて生活をしている誰もが発症する可能性があり、今、発症者が急増しているのです。

現在、八王子には専門機関はありません。また、化学物質を排除した住まい設備や、相談機関、サポート機関もありません。予防の取り組みもまだまだ不十分です。化学物質過敏症は現代のたいへん深刻な環境病です。環境、医療、教育、などが連携し、支援策に取り組まなければならない重要な問題だと考えます。

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