八王子の戦争遺跡、浅川地下壕を保全しよう
高尾駅西側にある金比羅山の緑地は、一時は土木業者の手に渡り宅地開発の危機にさらされました。
しかし市民から猛反対の声もあり今年3月、市は5億円で土地を買い取り、市保有の緑地として残ることができました。
今後は、この緑地をきちんと保全していくことが大切です。特に、地下に広がる浅川地下壕は、戦時中、中嶋飛行機の疎開軍需工場として使われていたものであり、全長10㎞にもおよぶ日本でも有数の巨大な地下壕です。ここで作られたエンジンはたったの10機です。掘削には多くの朝鮮人も働いていた歴史があります。イ、ロ、ハの三つの地区に分けられており、これまではイ地区のみ中に入ることはでき、国による調査はされましたが、調査報告書はいまだに出ていません。ずれも民有地であり何の手出しができませんでした。ここではじめて市有地となった金比羅山の地下は倉庫として使われたロ地区に当たります。これまで誰も足を踏み入れたことがなく、調査もされていないところです。いくつかの入口もそのまま残っています。危険なので今は中に入ることはできませんが、まずはしっかりと調査をし、保全をし、ゆくゆくは戦争遺跡として一般公開できるよう整備することを提案していきたいと思います。
戦争体験の語り手が少なくなった今、戦争の歴史を見つめなおすことが今とても重要です。