5分100円家事代行「御用聞き」

「市民事業をひろげよう」連続講座の第1回目は、5分100円の家事代行事業を行っている株式会社御用聞きの古市盛久さんをお招きし、お話を伺いしました。偶然にも、同月東京生活者ネットワークの政策委員会で「若者を中心とした働き方を考える」というテーマで少し違った角度からお話を伺ったばかりでしたが、どちらも古市さんの鋭い現状分析に、参加者の関心を惹きつけました。

前掛け一枚たった1人で御用聞きをはじめた古市さんは、現在、練馬区光ヶ丘、高島平、多摩ニュータウンの3ヵ所で実施し、今後新たに3ヵ所で展開することを予定しています。古市さんは過去に事業で大失敗して1年で這い上がった経験の中から、「世の中を動かす仕事をしたい」という思いで現在の家事代行の事業を生みだしたそうです。

以前、私も光ヶ丘ゆりの木商店街にある、御用聞きの団地の縁側を見学に行きました。

木のぬくもりがとても心地のいい、素敵なリビングで“団地の縁側”は、“団地の寺子屋”として、中高年者に生きがい・働く場を提供、居場所づくり、地域活性化につながっています。しかしこの団地の縁側にかけたコストは0円。ある建設会社の展示ルーム(コンセプトルーム)を利用しているのだそうですが、そこが彼のビジネステクニックです。

とにかく御用聞きはコンセプトやビジョンが明確です。事業コンセプトは全国どこでも誰でも御用聞きを利用できるよう「御用聞きをリブートする」「会話で世の中を豊かにする」であり、目指している方向をしっかりと見せていくことがうまいのです。

そして、そのコンセプトに共感をしたスタッフや協力事業者、お客様が集まってきます。そこで働く学生アルバイトも、業務の中から働くことの喜びや、人と人との関わり、地域との関わりなど「学ぶ」ことができていること等にも御用聞きの存在意義を感じました。

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