八王子の食肉処理場が閉鎖に・・・

 八王子市子安町には多摩で唯一の食肉処理場があり、明治13年から職人さんの手作業によって牛や豚などの処理が行われてきました。

2012年に閉鎖になってから、存続をめぐって、そこを担ってきた食肉処理組合と土地と建物を貸していた市とが裁判になっていましたが、12月に「和解」となり、存続の願いはかないませんでした。和解金は5億2500万円。市はニーズが減り財政負担ができないことを理由に閉鎖を主張してきましたが、この和解金があればあとどれだけ続けられただろう、職人さんがあと何年働けただろうと思ってしまします。
小規模な食肉処理場だからこそ、大規模工場では処理できないサイズの畜産や、宗教の流派にのっとって屠殺をするハラルミートとよばれる肉の処理可能でした。獣医の研修生が学びに来る場所でもありました。
食を学ぶ場として食肉処理場が身近にあることは大切です。農産物の地産地消はよく言われますが、畜産物を地産地消で循環させられる地域は限られています。私たち食生活を営むすべての市民にとっても重要な場でした。ここに地域の伝統的な生業あったことを忘れず、これからの地域の食の営みを考えていきたいと思います。

 

いつも豚肉がつるされていた

屠畜碑は残して欲しいと訴えている