〜誰もが安心して暮らし、差別のないまちをめざして〜

本年4月から「障害のある人もない人も共に安心して暮らせる八王子づくり条例」が施行されました。この条例づくりは2010年12月の市議会で市民から条例の制定を求める請願が可決されたところからはじまりました。障がい当事者や関係者を中心に、様々な市民を巻き込みながら何度も議論を重ね、条例づくりに取り組んできたものです。この時できた法制課にかかる前の条例案は、施行された条例分の2倍近い内容が盛り込まれており、その前文にもこれまで障害者が差別をうけてきた歴史や、当事者の深い想いが語られるものでしたが、前文から条例文に渡り大幅な削除・修正が入り、薄っぺらなものになってしまいました。しかし、障害者への「合理的な配慮に努めなければならない」と記されたことは、市としても、国としても大きな前進であり、国連の障害者権利条約の基準に一歩近づきました。
そもそも、これは障がい者への差別を禁止した条例ですが、一見当たり前のことを言っているようにも見えますが、建物や道路、教育、職場、等…あらゆる場面で障がいのある人に合理的な配慮されているかどうか見ると、問題は数多く、私たちが知らず知らずのうちに差別していることもあるのです。もちろん、直接的な差別も根強いものです。
私自身、議員になる前働いていた知的障がい者の入所施設では、たとえ不利益なことをされたり、言われたりしても本人が声を上げることができない状況にあったり、地域で差別される現場を見て大変悔しい思いをした経験もありました。そのため、この条例制定は私も以前から強く望んできたものでもありました。
これは市民一人一人が障がいへの理解を深め、当たり前に助け合えるまちづくりへの大きな一歩です。
今後も、この条例を盾に様々な角度から具体的な改善を求めていきます。